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マタニティーライフ in Paris

mikiko6

更新日:2020年9月11日

秋から冬にかけて、朝のリヨンは霧に包まれることが多くなります。

午後になると霧は晴れて、いいお天気に。

今日の気温は18度。ハロウィーンにしては暖かい日が訪れました。

街なかにあるテットドール(Tete d’Or )公園では、連日イベントが開かれ沢山の親子連れで賑わっています。


かぼちゃ祭り開催中

さて、11月は我が家にとって、とてもおめでたい月です。

夫、息子、娘の誕生日は全てこの月に集中しているのです。

夫と息子は蠍座。11月に3歳を迎える娘も蠍座になる可能性アリだったのですが、生まれたのは28日で、夫の長女(12月5日生まれ)と同じ射手座です。

ちなみに、11月28日はアルバニアの独立記念日だそうで、アルバニア出身の知人が「たいへんめでたい日に生まれた」と喜んでくれました。

娘の妊娠がわかった時(2012年)私たち一家はパリに住んでいました。

妊娠4ヶ月だった私は、出産病院予約の為、公立の産院を4、5件回ったもののどこも満杯、最後に行った大病院も受付であえなく断られそうになりました。

パリは産婦人科医院不足で妊娠2ヶ月までに出産する医院を予約しないとダメなのだそうです。偶然その病院の院長先生が受付に通りかかり、なんとか予約にこぎつけることができました。

やっと予約の取れた産院だったのですが、あまり楽しい通院にはなりませんでした。というのも、私が高齢妊婦で血液検査(染色体異常の確率検査)結果も悪いということで、羊水検査をかなりしつこく勧められられたからです。

病院では「羊水検査で胎児に染色体異常があるかを確定できます。染色体異常がみつかってもその治療はできません。検査は1パーセントの流産の危険性(お腹に針を刺して羊水を抽出するため)があります。 」

「検査料は健康保険でカバーできます。胎児に異常が認められた場合、フランスでは妊娠期間中いつでも(お産が始まる前まで)中絶が可能です。 」

といった内容を伝えられました。

病院側はトリソミー21(ダウン症候群)を心配していました。

ダウン症は出産生存率も高く、社会人として生きている人が多いので、なぜ病院側がダウン症候群を主に出生前診断の対象としたのかは、わかりません。

私たち夫婦は「お腹の子はもう5ヶ月で心音も感じますし、羊水検査による流産も心配なので、検査はしません。」と返事したのですが、

病院側は「流産が心配なら検査を妊娠8ヶ月以降にしましょう。その時期なら早産でも大丈夫です。」と続けてきました。

公立病院側は、判断情報をきちんと与えなかった場合に責任を問われるので、このようなデリカシーに欠ける説明をしたのでしょう。


パリで私に羊水検査を勧めた女医さんは「私があなたならこの検査をするでしょう。女性には自分自身を守る権利があります。」と言いましたが、それでは胎児の生きようとする意思が尊重されていません。

何パーセントかの割合で染色体異常を持つ子が生まれるのは自然の摂理であるのに、女性がそのような検査で身を守っていかなければならないというなら、それは相当厳しい社会です。

結局、私は妊娠8ヶ月を前にして日本へ。里帰り出産した公立病院は、フランスのように出生前診断や無痛分娩のようなものはありませんでしたが、小児救急が併設されていることを基準に選びました。

フランスのエコー検査は、胎児を邪魔しないように妊娠期間中3回だけで、とても精密です。日本の場合は、エコー回数が多いですね。「はーい、今日赤ちゃんは下を向いて顔が見えません。お尻が見えまーす。」といった感じで、赤ちゃんに会う楽しみの場となっているからかもしれません。

夫と息子は出産予定日の10日前に日本に到着。

大きな満月の夜、娘は誕生しました。

息子はイタリアで生まれましたが、娘の時は里帰り出産ができてよかったと思います。日本には孫の誕生を楽しみにしていた母もいましたから。

リサ 11月1日 リヨンにて

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