フランスで「黄色いベスト」運動の嵐が吹き荒れている。
「ガソリン軽油税を値上げします。これからはエコロジーな電気自動車にしましょう。ルノーの電気自転車なら補助金出ますよ。」という政策に庶民が猛反発したのが始まりだった。
車が必需品の地方在住者にとって燃料税アップはかなり痛い。しかも低所得者層にとって電気自動車に買い換えることなど見果てぬ夢。
燃料税アップ反対がデモの発端だったが、今は格差社会とエリート政治に対する怒りが一気に噴出しマクロン 大統領にぶつけられている。
フランスのシンボル「マリアンヌ」に扮したトップレスの女性たちもデモに参加した。そのワンシーンショット「二人のマリアンヌ」がネット上で拡散し話題に。
1789年、食糧難に苦しむパリ市民がベルサイユ宮殿に押しかけてルイ16世とマリー・アントワネットをパリへと連行した(ベルサイユ行進)。
今日はそのベルサイユ宮殿で第6回目の「黄色いベスト」デモが予定されていて、「フランス革命第2弾のようだね」と言いながらテレビをつけたら、デモの場所は急遽モンマルトルに変更されていた。デモに警戒して宮殿閉鎖までしたのに。
一連のデモによりパリの観光業会は大打撃を受けている。(写真4)
マクロン 大統領は燃料税据え置きと最低賃金の値上げを約束したものの、支持率は急降下。11日にはストラスブールのクリスマスマーケットで銃撃テロがあり5人が亡くなっている。デモやテロに連日の激務をこなす警官たちがついにエリゼ宮にデモを起こした。今や全ての怒りはマクロン大統領に向けられている。
黄色いベスト運動が始まってから頻繁にメディアに登場しているのが右派の国民連合党首 マリーヌ・ル・ペン。彼女にとってマクロン 政権の危機は追い風である。
大統領府のあるパリではデモが暴動化してマリアンヌ像が破壊されたが、私の住むリヨンは比較的落ち着いている。
12月上旬にはリヨンの「光の祭典」が中止することなく全日程を終えた。
2019年が明るい年になることを祈りつつ。
12月22日 リサ
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