2週間の秋休み。
子供達が時間を持て余すので、先週の日曜はニーム(Nîmes)という街に日帰り旅行をしました。
フランス最古のローマ都市ニームまでは、リヨンから車で約2時間40分。南仏では、この季節でもまだ気温20度が望めます。
ニームの街の紋章は、ヤシの木に鎖で繋がれたワニ。
紀元前31年、オクタヴィアヌス(初代ローマ皇帝アウグストゥス)率いるローマ軍がクレオパトラとアントニウスの連合軍を破りエジプトを占領した際、勝利を記念する硬貨がニームで鋳造されました。
2千年前の硬貨に刻まれた図柄(ヤシの木に繋がれたワニ)が、現在のニームの紋章の原型です。当時、ヤシの木はローマ軍の勝利を、鎖で繋がれたワニは征服されたエジプトを意味していました。
そして、16世紀に入りこの図柄はニームの紋章として認定されることに。
古代ローマ時代からの街は、中世の街とずいぶんと趣が違います。
「中世の面影が残る街並みを見ると、現在への繋がり〜ヨーロッパ人はこの時代の人々の子孫だ〜ということを感じるけど、古代ローマ遺跡を見たとき、今の我々へのつながりは想像できない」(夫談)
古代ローマ時代は下水道システムも完備されていたほどの建築技術があったにもかかわらず、中世にそれらの技術は継承されていません。ローマ帝国の衰退とともにその文明は失われました。中世以降は古代ローマ人とは違うルーツを持った人々の文化が発展して現在に至っている、という印象を受けます。
リサ 11月4日(土曜) リヨンにて
Comments