あけましておめでとうございます。
昨日、1月6日は「Epiphanie(エピファニィー) 公現祭」
というキリスト教会の祝祭日でした。
東方の三賢人の幼子イエス訪問が起源とされているそうです。
フランスではエピファニーの期間「ガレット・デ・ロワ」と呼ばれるパイ菓子を食べる習慣があります。
「ガレット・デ・ロワ」とは、「諸王(東方の三賢人)のガレット」という意味で、お菓子屋さんで丸いガレットを買うと、一緒に紙の王冠をつけてくれます。
ガレットの中には「フェーヴ」と呼ばれる、陶製の小さな人形が入っています。家族でガレットを分けあって食べる際、このフェーヴ入りの部分が当たった人は王冠を被り、皆から祝福を受けます。
本来「フェーヴ」は一つなのですが、昨日買った「ガレット・デ・ロワ」からは、二つのフェーヴを発見。そういえば、店のおじさんが「王冠、2つ入れておくからね。」と言っていました。
〜JOYEUSES FETES (ジョワイユーズ・フェット)〜
リヨンではクリスマス期間中、街のポスターに「Joyeux Noël (メリークリスマス)」という言葉を目にすることがほとんどなく、「Joyeuses fêtes (喜ばしい祝祭日を)」とか、「Bonne année (よいお年を)」と書かれたものが大多数でした。
「Laïcité(ライシテ・政教分離)」徹底するために、公の場で宗教的な意味合いがあるものを避ける傾向が強くなったようです。
私が子供の頃、クリスマスといえばプレゼントを持ってきてくれるサンタさんでした。キリスト教のことをよく知っていたわけではないけれど、クリスマスはイエス様がお生まれになった日であるというのは知っていて、とにかくおめでたい日なのだと思っていました。
メリークリスマスという言葉をかけられて嬉しくない人もいるという認識は、フランスで暮らすようになるまで全くありませんでした。
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の人々が共に暮らしている国では、宗教観の違いに特に気を使わないといけないようです。ルーツを同じくしているからこそ、その違いに対しては非常に敏感なのです。
「メリークリスマス」というメッセージには配慮したほうがいいようなのですが、前述の、幼子イエスへの東方の三賢人の礼拝を記念する 「ガレット・デ・ロワ」の方はお菓子だからでしょうか、スーパー、菓子屋、パン屋、街じゅうの店頭に目立つようにずらっと並べられています。
長らくカトリックが国教であったフランスでは、クリスマスに「ジョワイユー・ノエル (メリークリスマス)」というメッセージを送り、公現祭の日に「ガレット・デ・ロワ」を食べることは、昔ながらの習慣であったのだと思います。
フランス革命を経て、政教分離の国となり、多民族国家で異なる宗教を持つ人々が共に暮らすようになった今、周りの人が必ずしも自分と同じ習慣の元に育ってきたのではないという認識をしておく必要がありそうです。
昨年の1月7日に起きたパリのシャルリエブド社襲撃事件から今日でちょうど一年が経ちました。
どうか今年2016年は、いいニュースの方を多く聞けますように。
リサ 1月7日 リヨンにて
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