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追悼

mikiko6

更新日:2020年9月9日

フランス中が喪に服した3日間の間に息子は14歳の誕生日を迎えました。

先週の土曜日、息子はリヨン織物芸術博物館での学生コンサートでチェンバロを弾きました。パリでテロのあった翌日ですが、その日はまだリヨンでコンサート自粛が勧告されておらず、追悼の意味を込めて開催されました。


学生コンサートの後には先生による博物館所蔵の18世紀初頭に制作されたチェンバロの演奏があり、コンサート後、息子はこの歴史的チェンバロを少し弾かせてもらうことができました。


リヨン織物芸術博物館所蔵
18世紀初頭のチェンバロ

「音を鳴らした瞬間鍵盤がすごく熱かったんだよ。ブワーッと熱が手に伝わってきたんだよ。」


歴代の名チェンバリストが演奏してきた名器ですから、相当なエネルギーが宿っていたのでしょう。

昔の楽器は、いま生きる私たちに古の響きを蘇らせてくれます。

13日のパリのテロから一週間が経ち、3日間自粛していた芸術イベントも再開されます。

リヨンでは来月の5日から8日まで恒例の「光の祭典」が企画されていましたが、今回のテロを受けて、内容が大幅に変更されました。

光の祭典は、リヨンの街が3Dマッピッングなどによるイルミネーションでライトアップされ、毎年3百万人近くの人出で賑わう、リヨンの一大行事です。

残念なことに、今年は準備していた大掛かりな光のショーをすべて2016年の12月まで延期することに。「市民がテロの標的になる危険性があるため祭典はできない」という市長の判断です。

その代わり、12月8日にだけ、テロの犠牲者を悼み市民が各家の窓にろうそくを灯すこととなりました。20万本の小さなガラスのコップに入ったろうそくが準備され、子供達には無料で配布されます。

市民が各家の窓にろうそくを灯すというのは、リヨンの本来の光の祭典の姿でもあります。1852年の12月8日に各家の窓にろうそくを灯して、フルヴィエールの丘の上のマリア像の完成を祝い、リヨンを守る聖母マリアに感謝したのがこの祭典の始まりですから。

昨年度の光の祭典の様子はこのサイトから見ることができます。

http://www.fetedeslumieres.lyon.fr/fr/edition/edition-2014

来年のフランスは、このようなイベントが安心して開催できるようになっていてほしいと切に願います。

亡くなった方々のご冥福を祈ります。


そして負傷された方々が1日も早く回復されますように。

リサ 11月20日 リヨンにて

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